会社員40年、年金生活10年、そして今。~秋田世豪

会社員40年、年金生活10年で体験してきたこと、感じてきたことを綴ります。昭和・平成・令和の日々。~秋田世豪のシニアブログ、リタイアブログ

秋田県の八郎潟の水の入れ替え

秋田県は、琵琶湖に次ぐ国内第2の湖だった八郎潟(はちろうがた)を干拓してできた八郎湖の水質改善を目指してきました。21世紀に入ってから、特に汚れのひどい西部承水路で水の入れ替え作業を始めました。

八郎湖の浄化対策としては干拓以降最大規模でした。地元の漁業や農業関係者は「イメージアップのためにも、水をきれいにしてほしい」と効果を期待していました。

秋田県庁の環境政策課によると、八郎湖の水質改善プロジェクトでは、2000年秋に水を3回入れ替えたそうです。西部承水路の全体水量848万9000トンのうち1回に326万5000トンを4カ所の取水口を開けて大潟村の用水路に引き込み、汚れが比較的少ない東部承水路と南部にある調整池に出しました。その後、東部承水路と調整池の水を西部承水路に戻しました。

それまで八郎湖の水対策では、農業肥料の管理や水をかきまぜる機械の設置などに取り組んできました。しかし、大きな効果はあがらなかったといいます。秋田県は「農業用水路や取水口など既存の施設を使うので費用が少ない」と説明しました。

秋田県は八郎湖で湖や沼の水質基準となるCOD(化学的酸素要求量)を定点観測していました。農業用水が多く使われる5、6月には西部承水路は12mg/Lと、環境基準3mg/Lの4倍の汚れ(1998年までの5年間平均)でした。

窒素やリンを含む富栄養化により夏期にアオコが発生する問題も起きました。八郎湖増殖漁業協同組合(当時の組合員560人)は「1990年代初頭くらいからアオコが発生して漁獲時期を制限されるなどの被害を受けてきた。抜本的な水質改善策になってほしい」と期待を寄せました。(秋田世豪)